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メンデルスゾーン結婚行進曲の由来は?1858年の王女の婚礼とワーグナーとの違いを徹底解説

宮下 直樹 宮下 直樹 • 更新: • 公開: • 読了約 23 分
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結婚式で新郎新婦が退場するとき、華やかなファンファーレとともに流れる「メンデルスゾーンの結婚行進曲」。誰もが一度は耳にしたことのある名曲ですが、実は最初から結婚式のために作られた音楽ではありません。ドイツの作曲家フェリックス・メンデルスゾーンが、シェイクスピアの喜劇『真夏の夜の夢』のために作曲した劇付随音楽の一曲です。

この曲が世界的な結婚式の定番になった大きな転機は、1858年1月25日。イギリスのヴィクトリア女王の長女、ヴィクトリア王女とプロイセン王子フリードリヒ・ヴィルヘルムの結婚式でした。加えて、同じ婚礼をめぐってワーグナーの「婚礼の合唱」についても広く知られるようになりましたが、実際の演奏順には意外な事実があります。2026年現在も親しまれる名曲の誕生から普及、演奏方法、楽譜の選び方まで詳しく解説します。

【結婚式のために作られた曲ではない?】メンデルスゾーン結婚行進曲の本当の由来

メンデルスゾーン結婚行進曲

原曲はシェイクスピアの『真夏の夜の夢』

メンデルスゾーンの結婚行進曲は、ドイツ語では「Hochzeitsmarsch」、英語では「Wedding March」と呼ばれます。正式には、フェリックス・メンデルスゾーンの劇付随音楽『真夏の夜の夢』Op.61の第9曲です。

重要なのは、この曲が独立した結婚式用の作品として生まれたわけではないという点です。もともとは、イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアによる喜劇『真夏の夜の夢』の舞台を彩るために作られました。

物語には、妖精の王オーベロンと女王ティターニア、人間の若者たち、そして恋愛をめぐるさまざまな騒動が登場します。最終幕では、複雑に絡み合った恋愛関係が解決し、複数のカップルの結婚が祝福されます。

結婚行進曲が流れるのは、この幸福な結末を迎える場面です。メンデルスゾーンは劇中の婚礼を祝うために、堂々とした華やかな音楽を書きました。

つまり、結婚式にふさわしい音楽としての性格は当初から備わっていたものの、実際の教会や結婚式場で演奏することを目的に作られたわけではありません。

1826年の序曲から1842年の劇付随音楽へ

『真夏の夜の夢』とメンデルスゾーンの関係は、結婚行進曲が作られるよりも前に始まっています。

1826年、当時17歳だったメンデルスゾーンは、シェイクスピアの作品に触発されて演奏会用序曲を作曲しました。妖精の世界を思わせる繊細な響きや、軽快な旋律が特徴的な作品です。

その後、プロイセン国王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世の依頼を受け、メンデルスゾーンは『真夏の夜の夢』の舞台上演に合わせた劇付随音楽を制作します。これが1842年に作曲されたOp.61です。

序曲Op.21と劇付随音楽Op.61は、同じシェイクスピア作品を題材にしていますが、別の作品として整理されています。結婚行進曲は後者に含まれる第9曲です。

ロサンゼルス・フィルハーモニックの作品解説でも、1826年の序曲と1842年の劇付随音楽は区別されており、結婚行進曲は第5幕に先立つ音楽として紹介されています。

【1842年の作曲背景】フェリックス・メンデルスゾーンはなぜこの曲を書いたのか

作曲家フェリックス・メンデルスゾーンとは

フェリックス・メンデルスゾーン(1809~1847年)は、ドイツ・ロマン派を代表する作曲家です。作曲家としてだけでなく、ピアニスト、オルガニスト、指揮者としても活躍しました。

幼少期から音楽の才能を発揮し、若くして数多くの作品を生み出しています。代表作には、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第4番「イタリア」、劇付随音楽『真夏の夜の夢』、オラトリオ『エリヤ』などがあります。

米国議会図書館の作曲家資料でも、メンデルスゾーンは19世紀前半の重要な音楽家として紹介されており、ピアノやオルガンを含む幅広いジャンルで作品を残したことが記録されています。

1842年の劇付随音楽の制作は、こうした彼の音楽活動の中でも重要な仕事でした。プロイセン王室の依頼に応じ、既存の序曲に新たな音楽を加えることで、舞台作品全体を音楽的に完成させたのです。

1842年に作曲、初演は1843年

結婚行進曲の作曲年として一般的に知られているのは1842年です。ただし、作曲と舞台での初演は同じ年ではありません。

『真夏の夜の夢』の劇付随音楽は、1843年10月14日、ポツダムの新宮殿で舞台上演とともに演奏されました。メンデルスゾーン自身が指揮を担当しています。

この違いを理解しておくと、1842年という作曲年と1843年という初演年が資料によって異なって見える理由も分かります。

劇中の結婚を祝う音楽としての役割

第9曲の結婚行進曲は、物語の最後に登場する婚礼の喜びを表現しています。

ロサンゼルス・フィルハーモニックの解説によると、この音楽はシーシアスとヒポリタの結婚を祝うとともに、ライサンダーとハーミア、ディミートリアスとヘレナという二組の恋人たちの誤解や争いが解決したことも象徴しています。

冒頭の力強いファンファーレから、明るく堂々とした旋律へ展開する構成は、物語の幸福な結末を印象づけるものです。

このように、結婚行進曲の本来の意味は、単に新郎新婦を迎えるための音楽ではなく、恋愛の成就と新しい門出を祝福することにありました。

【1858年の王女の結婚式】メンデルスゾーン結婚行進曲が世界に広まった経緯

ヴィクトリア王女とフリードリヒ王子の婚礼

メンデルスゾーンの結婚行進曲が実際の結婚式で広く使われるようになった転機は、1858年1月25日に訪れました。

この日、イギリスのヴィクトリア女王の長女であるヴィクトリア王女(ヴィクトリア・プリンセス・ロイヤル)が、プロイセンのフリードリヒ・ヴィルヘルム王子と結婚しました。

挙式が行われたのは、ロンドンのセント・ジェームズ宮殿にあるチャペル・ロイヤルです。フリードリヒ王子は後にドイツ皇帝フリードリヒ3世、プロイセン国王となる人物です。

この婚礼では、式の終了後、新郎新婦が手を取り合って礼拝堂を退出する際にメンデルスゾーンの結婚行進曲が演奏されました。

その事実を裏付けるのが、当日の様子を記録したヴィクトリア女王の日記です。女王は、結婚式が終わった後、新郎新婦が手を取り合って退出し、その際にメンデルスゾーンの結婚行進曲が演奏されたことを記録しています。

つまり、この曲が使われたのは花嫁の入場時ではなく、結婚式を終えた二人の退場時でした。

1858年以前にも結婚式で演奏されていた

実は、1858年の王室婚礼がメンデルスゾーンの結婚行進曲の初めての結婚式使用例というわけではありません。

イギリスの歴史的建造物を保護する公的機関ヒストリック・イングランドの資料では、1847年6月2日にデヴォン州ティヴァートンのセント・ピーター教会で行われた結婚式が、最初期の使用例として紹介されています。

この日、ドロシー・ケアリューとトム・ダニエルの婚礼で、オルガニストのサミュエル・レイが同曲を演奏しました。

したがって、歴史を整理すると、1847年には実際の結婚式で演奏された記録があり、1858年の王女の婚礼によって社会的な知名度と人気が大きく高まった、という流れになります。

結婚行進曲の歴史と普及を年表で整理

年代 出来事 歴史的な意味
1826年 『真夏の夜の夢』序曲を作曲 シェイクスピア作品との関係が始まる
1842年 劇付随音楽Op.61を作曲 結婚行進曲が誕生
1843年 ポツダムで舞台初演 劇中の婚礼場面で演奏される
1847年 英国ティヴァートンの結婚式で演奏 実際の婚礼での初期使用例
1858年 ヴィクトリア王女の結婚式 新郎新婦の退場時に演奏され、人気が拡大
19世紀後半 英国などで婚礼演奏が広がる ワーグナーの婚礼の合唱との組み合わせも普及
2026年 世界各地の婚礼で親しまれる 伝統的な結婚式音楽の代表的な作品として定着

王室の結婚式が音楽文化に与えた影響は小さくありません。1858年当時、王室の婚礼は新聞や雑誌で大きく報じられ、多くの人々がその演出や服装、音楽に関心を寄せていました。

王室で使用された音楽が一般の結婚式にも取り入れられるようになった背景には、こうした報道と社会的な模倣の広がりがありました。

メンデルスゾーンの結婚行進曲も、王室という象徴的な舞台で演奏されたことで、単なる劇音楽から結婚式の定番曲へと位置づけを変えていったのです。

【ワーグナーの婚礼の合唱との違い】ローエングリンと1858年の意外な事実

ワーグナーの曲はオペラ『ローエングリン』が原点

メンデルスゾーンの結婚行進曲と並んで、結婚式でよく知られているのが、リヒャルト・ワーグナーの「婚礼の合唱」です。

英語では「Bridal Chorus」、ドイツ語では「Treulich geführt」と呼ばれ、オペラ『ローエングリン』の第3幕冒頭に登場します。

一般には「Here Comes the Bride(花嫁のお出まし)」というイメージで知られ、花嫁の入場曲として使用されることが多い作品です。

しかし、オペラの本来の場面を確認すると、現代の結婚式での使われ方とは少し異なります。

『ローエングリン』では、エルザとローエングリンの婚礼が第2幕の終わりに示唆され、第3幕冒頭で婚礼を終えた二人が婚礼の部屋へ向かう場面に婚礼の合唱が流れます。

つまり、原作の物語では、花嫁が教会に入場する音楽ではなく、結婚を終えた二人を送り出す音楽に近い位置づけなのです。

1858年の王女の結婚式でワーグナーは入場曲だったのか

ここには、長く広まってきた歴史上の誤解があります。

よく知られている説明では、1858年のヴィクトリア王女の結婚式で、ワーグナーの婚礼の合唱が花嫁の入場時に演奏され、その後にメンデルスゾーンの結婚行進曲が流れたとされています。

しかし、英国王立音楽協会誌に2024年に掲載された音楽史研究者マティアス・ランゲの論文は、この説明を史料に基づいて検証しています。

研究によると、ヴィクトリア王女が礼拝堂に入る際に演奏されたのは、ヘンデルのオラトリオ『ユダス・マカベウス』に由来する行進曲でした。ワーグナーの婚礼の合唱は、挙式中の花嫁入場曲として確認されていません。

ワーグナーの曲が演奏されたのは、同じ日の夜にバッキンガム宮殿で開かれた祝賀コンサートでした。そこで『ローエングリン』の音楽の一部として婚礼の合唱が取り上げられたのです。

一方、メンデルスゾーンの結婚行進曲は、挙式終了後の新郎新婦の退場に使用されました。

この研究は、両曲が1858年の王室婚礼で同じ日に演奏されたという事実と、ワーグナーが花嫁の入場時に使われたという説明を区別しています。二つの出来事が混同され、後世に誤った説明が定着したと考えられます。

メンデルスゾーンとワーグナーの違いを比較

二つの作品は、どちらも結婚式の定番曲ですが、出自や音楽的な性格は異なります。

  • メンデルスゾーン:『真夏の夜の夢』の劇付随音楽。華やかで堂々とした器楽曲。
  • ワーグナー:オペラ『ローエングリン』の婚礼の合唱。もともとは合唱による声楽曲。
  • 一般的な使用方法:ワーグナーは入場、メンデルスゾーンは退場という組み合わせが広く知られている。

また、ワーグナーの婚礼の合唱が実際の結婚式で使われた時期についても、同論文は興味深い事実を示しています。

教会での演奏を示す最初期の記録は1875年までさかのぼりますが、当初から花嫁の入場曲として定着していたわけではありません。1877年には花嫁の入場に使用されたことが新聞記事で明確に確認できます。

その後、英国の王室婚礼などを通じて入場曲としてのイメージが強まり、20世紀にかけて現在のような使い分けが広がっていきました。

【なぜ退場時に流れる?】結婚行進曲が持つ意味と演奏上の理由

新しい夫婦の門出を祝福する音楽だから

メンデルスゾーンの結婚行進曲が退場時に選ばれる最大の理由は、音楽の性格と結婚式の最後の場面がよく合うためです。

結婚式の退場は、二人が夫婦として新しい生活へ踏み出す瞬間です。参列者から祝福を受けながら歩く場面には、喜びや希望を感じさせる音楽が大切です。

結婚行進曲の冒頭は、金管楽器を思わせる力強いファンファーレが印象的です。その後に続く堂々とした旋律も、新郎新婦の晴れやかな門出を演出します。

加えて、1858年のヴィクトリア王女の婚礼では、実際に新郎新婦が礼拝堂を退出する際に演奏されました。この歴史的な使用例が、後の結婚式でも退場曲として選ばれる大きなきっかけになりました。

入場曲と退場曲は何が違う?

結婚式では、入場と退場で音楽に求められる役割が異なります。

入場曲は、花嫁や新郎新婦が会場に登場する瞬間を印象づけるものです。厳かな雰囲気や期待感を高める曲が選ばれることがあります。

一方、退場曲は、式を終えた二人を祝福し、参列者と喜びを共有するための音楽です。明るく華やかで、歩くリズムに合わせやすい作品が好まれます。

  • 入場曲:新郎新婦の登場を演出する。ワーグナーの婚礼の合唱などが代表例。
  • 退場曲:結婚を終えた二人の門出を祝福する。メンデルスゾーンの結婚行進曲が代表例。

ただし、これは現代の結婚式で広く見られる使い分けです。19世紀の演奏記録を見ると、ワーグナーの作品も式の終盤や証明書への署名中など、さまざまな場面で演奏されていました。

つまり、現在の定番の組み合わせが、歴史上ずっと固定されていたわけではありません。

2026年も退場曲として人気が続く理由

英国の教会音楽団体RSCM(王立教会音楽学校)の結婚式向け音楽案内でも、メンデルスゾーンの結婚行進曲は退場時の代表的な選択肢として紹介されています。

その理由は、曲を聴いただけで結婚式を連想できるほど認知度が高いことに加え、オルガンで演奏した際に会場全体へ響き渡る華やかな音響効果にもあります。

宗教的な歌詞がない器楽曲であるため、歌詞の内容を気にせず選びやすいという特徴もあります。ただし、宗教施設で使用する場合は、会場や宗派ごとの音楽に関する規定を確認する必要があります。

【オルガン演奏とピアノ楽譜】原曲の魅力を再現する方法

オルガン演奏が結婚式に向いている理由

メンデルスゾーンの結婚行進曲は、教会のパイプオルガンで演奏されることが多い作品です。

オルガンは、複数の音を重ねて豊かな響きを作り出せる楽器です。広い礼拝堂でも音が響きやすく、冒頭のファンファーレや堂々とした旋律を壮大に表現できます。

特に、金管楽器を思わせる音色を選べば、オーケストラ版の華やかさに近い印象を作れます。

一方、演奏者の技量や会場のオルガンによって仕上がりは変わります。大きな音量だけを重視するのではなく、参列者が新郎新婦の歩く速度に合わせて自然に聴けるテンポを選ぶことも大切です。

メンデルスゾーン結婚行進曲のピアノ楽譜

ピアノで演奏したい場合は、オーケストラ版の総譜ではなく、ピアノ独奏用に編曲された楽譜を選ぶと取り組みやすくなります。

メンデルスゾーンの結婚行進曲には、さまざまな編曲版が存在します。米国議会図書館には1873年にニューヨークで出版されたピアノ用楽譜が所蔵されており、19世紀からピアノ演奏用の出版譜が流通していたことが分かります。

現在も出版社ショットなどから、Op.61第9曲の楽譜や、ピアノ・オルガン伴奏を用いる編曲版が出版されています。

楽譜を選ぶ際には、次の点を確認するとよいでしょう。

  • ピアノ独奏用:一人で演奏できるように編曲されたもの。自宅練習や小規模な会場に向いている。
  • オルガン用:教会での演奏を想定した編曲。会場の楽器に合った譜面を選びたい。
  • ピアノ伴奏付き:管楽器や弦楽器などの独奏楽器と一緒に演奏できる。
  • 初級・中級向け:音数や和音を整理した簡易版。演奏経験が少ない人にも取り組みやすい。
  • 原曲に近い編曲:華やかなファンファーレや中間部の旋律を残したもの。原曲らしさを重視する人に向いている。

演奏するときに気をつけたいポイント

ピアノで演奏する場合、冒頭のファンファーレを力強く弾きすぎると、旋律全体のバランスが崩れることがあります。

最初の和音を明確に響かせながら、続く旋律を滑らかにつなぐことがポイントです。また、音を強くするだけではなく、旋律の進行に合わせて音量を調整すると、より自然な演奏になります。

結婚式で実際に使用する場合は、曲の長さにも注意が必要です。新郎新婦の退場時間に合わせて、演奏する範囲や繰り返しの有無をオルガニストやピアニストと相談しておくと安心です。

【プロの結論】メンデルスゾーン結婚行進曲を選ぶなら知っておきたい判断基準

メンデルスゾーンの結婚行進曲には、200年近い歴史の中で積み重ねられた文化的な意味があります。単に有名だから使われているのではなく、劇中の婚礼を祝う音楽として生まれ、王室の結婚式で使用され、実際の婚礼文化に定着したという背景があります。

この曲が特に向いている結婚式

  • 伝統的な結婚式:クラシック音楽の定番を取り入れ、格式ある雰囲気を演出したい場合。
  • 華やかな退場シーン:新郎新婦が参列者の祝福を受けながら堂々と退場する演出にしたい場合。
  • 世代を超えて親しまれる選曲:幅広い年齢層の参列者に分かりやすい音楽を選びたい場合。
  • 教会式:パイプオルガンの豊かな響きを生かしたい場合。

別の曲を検討した方がよいケース

一方、すべての結婚式にメンデルスゾーンの結婚行進曲が合うわけではありません。

静かで落ち着いた雰囲気を大切にしたい場合や、一般的な結婚式とは異なる独自の演出を希望する場合には、別のクラシック音楽や映画音楽、オリジナル楽曲も選択肢になります。

また、宗教施設では使用できる音楽に制限がある場合があります。曲を決める前に、会場の担当者や宗教関係者、演奏者に確認しておくことが重要です。

楽譜についても、原曲そのものと編曲版では著作権の扱いが異なる場合があります。メンデルスゾーンの原曲は作曲者の死後長い年月が経過していますが、現代の編曲や録音物には別途権利が発生することがあるため、利用する楽譜や音源の条件を確認しましょう。

最も大切なのは、曲の知名度だけで選ばず、結婚式の雰囲気や新郎新婦が伝えたい思いに合っているかを判断することです。

メンデルスゾーン結婚行進曲に関するよくある質問(FAQ)

Q1:メンデルスゾーンの結婚行進曲は何年に作曲されましたか?
A1:1842年です。シェイクスピアの『真夏の夜の夢』の劇付随音楽Op.61の第9曲として作曲されました。舞台での初演は1843年10月14日、ポツダムで行われています。

Q2:なぜメンデルスゾーンの結婚行進曲は結婚式の退場で流れるのですか?
A2:1858年1月25日のヴィクトリア王女の結婚式で、新郎新婦が挙式後に礼拝堂を退出する際に演奏されたことが大きなきっかけです。華やかで祝福を感じさせる音楽の性格も、退場シーンに適しています。

Q3:ワーグナーの婚礼の合唱とメンデルスゾーンの結婚行進曲は何が違いますか?
A3:ワーグナーの曲はオペラ『ローエングリン』の第3幕に登場する合唱曲で、メンデルスゾーンの曲は『真夏の夜の夢』の劇付随音楽に含まれる器楽曲です。現代の結婚式では一般的にワーグナーが入場、メンデルスゾーンが退場に使われます。

Q4:1858年のヴィクトリア王女の結婚式でワーグナーの曲も演奏されたのですか?
A4:はい。ただし、挙式で花嫁の入場曲として演奏されたという説明は正確ではありません。2024年の音楽史研究によると、花嫁の入場時にはヘンデルの行進曲が演奏され、ワーグナーの婚礼の合唱は同日の夜に行われた祝賀コンサートで演奏されました。

Q5:メンデルスゾーンの結婚行進曲はオルガンとピアノのどちらで演奏できますか?
A5:どちらでも演奏できます。教会ではパイプオルガンがよく使われますが、ピアノ独奏用の編曲楽譜も出版されています。演奏する楽器に合わせた楽譜を選ぶことが大切です。

Q6:メンデルスゾーンの結婚行進曲の楽譜はどこで入手できますか?
A6:ショットなどの出版社からピアノ用やオルガン用の楽譜が出版されています。また、米国議会図書館や大学図書館の音楽資料でも、歴史的な出版譜や編曲譜を確認できます。購入する場合は、演奏者の技量に合った難易度を選びましょう。

まとめ:メンデルスゾーン結婚行進曲は歴史と祝福が結びついた名曲

メンデルスゾーンの結婚行進曲は、1842年に作曲された『真夏の夜の夢』Op.61第9曲です。もともとはシェイクスピアの喜劇に登場する婚礼を祝うための劇付随音楽であり、実際の結婚式を目的として書かれた作品ではありません。

その後、1847年の英国での婚礼使用例を経て、1858年のヴィクトリア王女の結婚式で新郎新婦の退場時に演奏されたことから、広く普及しました。

ワーグナーの『ローエングリン』に登場する婚礼の合唱との違いも、知っておきたいポイントです。現在は入場と退場で使い分けられることが多いものの、1858年の王室婚礼でワーグナーが花嫁の入場曲として演奏されたという説明は、史料と一致しません。

2026年現在も、メンデルスゾーンの結婚行進曲は伝統的な結婚式を象徴する音楽として親しまれています。次にこの旋律を耳にしたときは、単なる有名なクラシック音楽としてではなく、シェイクスピアの物語、19世紀の王室文化、そして新しい人生の門出を祝う人々の歴史が重なった作品として聴いてみてください。

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宮下 直樹

アイドル・グラビア担当として4年以上の取材経験。idol領域の公式発表・配信元の告知を一次情報として確認し、確認できない情報は記事に含めない方針です。

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