東洋大学の入試難易度を正しく把握するには、学部ごとの偏差値帯を比較する必要がある。2027年度入試向けの河合塾提供データを基にすると、文学部が偏差値60.0まで達しているほか、経済学部・経営学部・社会学部にも57.5の方式がある。
以下は、2026年10月13日更新のパスナビに掲載された方式別ランクを中心に整理した学部別一覧である。
東洋大学の学部別偏差値・共通テスト得点率一覧
出典:旺文社『大学受験パスナビ』掲載の河合塾提供データ、2027年度入試向け。2026年10月13日更新。学部・学科・第2部・イブニングコースを含む方式別ランクの範囲。表示のない入試方式は除く。
1位相当:文学部は最高偏差値60.0
文学部は、東洋大学の中でも高い入試難易度を持つ学部の一つだ。偏差値は45.0~60.0、共通テスト得点率は57~85%となっている。
特に注目したいのが哲学科と史学科である。一般選抜の前期3教科方式では、いずれも偏差値60.0のボーダーが設定されている。
哲学科は英語や国語などの基礎学力に加えて論理的な思考力が問われる分野であり、史学科は歴史に関する知識や資料を読み解く力が学びの基礎となる。文学部全体を偏差値45.0という数字だけで評価するのは実態と異なる。
なお、文学部の最低値45.0には第2部の入試方式も含まれる。昼間部の学科と第2部を分けて確認することが必要だ。
社会学部・経済学部・経営学部も偏差値57.5に到達
社会学部は40.0~57.5で、昼間部の社会学科には偏差値57.5の方式がある。社会心理学科も55.0の方式が設定されている。
経済学部は40.0~57.5。経済学科の前期3教科最高方式では57.5となっている。経営学部も42.5~57.5で、経営学科の英語重視方式などに57.5のボーダーがある。
これらの学部は、東洋大学の中でも受験生から比較されやすい文系分野だ。単純に最低偏差値を並べるのではなく、昼間部の学科や志望する入試方式を確認する必要がある。
理工学部の偏差値は47.5~50.0
理工学部は偏差値47.5~50.0、共通テスト得点率60~71%となっている。
学科には機械工学科、電気電子情報工学科、応用化学科、都市環境デザイン学科、建築学科などがある。学科によって数学・理科の必要性や試験科目の組み合わせが異なる。
文系学部の偏差値と単純に比較すると、理工学部は低く見えるかもしれない。しかし、理系科目を必要とする入試では、受験生が対策すべき範囲も異なる。偏差値だけで理工学部の入試が簡単だと判断するのは危険だ。
また、共通テスト得点率の最低値が60%だからといって、どの方式でも6割で合格できるわけではない。必要科目数や配点によって合格ラインは変わる。
【Fランと言われる理由】東洋大学の偏差値40.0に隠れた事情

東洋大学がFランと言われる背景には、偏差値の最低値だけが切り取られやすいという事情がある。実際の入試データを確認すると、いくつかの誤解が生まれやすい構造が見えてくる。
理由1:偏差値40.0という最低値が目立つ
最もわかりやすい理由は、偏差値40.0という数字の存在だ。
インターネット上では、大学の難易度を最低偏差値だけで判断する傾向がある。しかし、東洋大学の場合、40.0は全学部・全方式の最低値であり、大学全体の標準的な難易度を示しているわけではない。
実際、文学部の上限は60.0、経済・経営・社会・国際学部には57.5の方式がある。最低値だけを取り出して大学全体に当てはめるのは、統計の読み方として適切ではない。
理由2:第2部・イブニングコースの数値が含まれる
偏差値40.0の背景を理解するうえで重要なのが、第2部やイブニングコースの存在である。
東洋大学には、昼間部とは異なる時間帯に学ぶ課程が設けられている。2027年度入試向けデータでは、こうした募集区分も一般選抜の数値に含まれる。
具体的には、次の募集区分が最低値に関係している。
- 経済学部第2部:偏差値40.0~42.5
- 社会学部第2部:偏差値40.0~42.5
- 法学部第2部:偏差値40.0~45.0
- 国際学部イブニング:偏差値40.0
これらは通常の昼間部の学科と同じ条件ではない。授業時間や履修形態などの違いを考慮せずに比較すると、大学全体の評価を誤る可能性がある。
理由3:学部数が多く、難易度に幅がある
東洋大学は文系・理系の幅広い学問分野を持つ総合大学だ。文学、経済、経営、社会、法律、国際、観光、情報、福祉、理工、生命科学など、学部ごとに専門分野が異なる。
そのため、大学全体の偏差値を一つの数字で表すこと自体に限界がある。文学部の哲学科と理工学部の機械工学科では、必要な学力や試験科目が違う。同じ偏差値帯でも受験対策の内容は異なる。
理由4:大学群のイメージと個別学部の難易度が混同される
東洋大学は一般に「日東駒専」の一角として認識されている。一方、ネット上では大学群そのものを一括りにして、大学の序列や難易度を語ることも多い。
しかし、大学群は受験情報上の通称であり、4大学の学部構成や入試方式が統一されているわけではない。学部単位で比較すれば、各大学の強みや難易度は異なる。
つまり、東洋大学がFランと呼ばれる背景には、最低偏差値の切り取り、第2部との混同、大学群のイメージと実際の入試難易度の混同がある。
【日東駒専と比較】東洋大学の入試難易度は高い?低い?
東洋大学の立ち位置を判断する際、比較対象になるのが日本大学、駒澤大学、専修大学だ。
2027年度入試向けの河合塾Kei-Net方式別ランクを比較すると、次のようになる。
| 大学 | 偏差値 | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|
| 日本大学 | 35.0~65.0 | 39~76% |
| 東洋大学 | 40.0~60.0 | 54~88% |
| 駒澤大学 | 42.5~55.0 | 55~77% |
| 専修大学 | 45.0~57.5 | 59~81% |
出典:各大学の河合塾Kei-Net 2027年度入試向け方式別ランク。
東洋大学は日東駒専の中でどの位置?
この比較から読み取れるのは、東洋大学には日東駒専の中でも高い難易度を示す入試方式があるということだ。
特に共通テスト得点率の上限は88%で、4大学の中でも高い水準にある。文学部や国際学部など、学科・方式によっては相応の学力が必要となる。
ただし、大学全体の偏差値の上下限だけで序列を決めるのは適切ではない。
日本大学には医学部や獣医学科などがあり、学部構成が東洋大学とは大きく異なる。また、東洋大学には第2部やイブニングコースが含まれている。専修大学や駒澤大学も、それぞれ学部構成や入試制度が異なる。
文学部・社会学部など同じ分野で比較するべき
大学間の難易度を比較するときは、同じ学問分野の学部を選び、できるだけ同じ教科数や入試方式で比較することが大切だ。
例えば、文学部なら日本大学文理学部、駒澤大学文学部、専修大学文学部などが比較対象になる。経済・経営系なら各大学の経済学部や経営学部、商学部を確認するとよい。
偏差値の上限が高い大学が、あらゆる学部で他大学より難しいとは限らない。受験生にとって重要なのは、大学群の順位ではなく、志望学科の合格可能性である。
【2026年度入試実績と学部別評判】実際の競争率から見る東洋大学
偏差値は翌年度の入試難易度を予測する指標だが、実際の受験競争を理解するには過去の入試結果も参考になる。
河合塾Kei-Netが公開する2026年度入試結果では、文学部哲学科の前期3教科①の志願者数は231人、合格者数は20人で、倍率は11.6倍だった。2025年度の同方式は8.7倍である。
これは文学部全体の倍率ではなく、特定の学科・入試方式の数字だ。それでも、東洋大学には高い競争率となる募集区分が存在することを示している。
2026年度の公式入試データにも注目
東洋大学が公表している「TOYO Data 2026」では、2026年度入試について、一般選抜・共通テスト利用入試などの志願者数と合格者数が学科ごとに掲載されている。
例えば文学部の一般・共通テスト利用・多面的評価・実技入試の集計では、志願者数15,906人、合格者数3,183人となっている。経営学部も同じ集計区分で志願者15,857人、合格者2,570人だった。
これらは入試方式を横断した集計値であり、実人数や個々の方式の実質倍率と同一視することはできない。それでも、一定規模の受験者を集める学部が存在することは確認できる。
学部別の評判は何を基準に判断すべき?
東洋大学の学部別評判を調べる場合、偏差値だけでなく、何を学べるか、卒業後にどのような進路を目指せるかという観点が欠かせない。
主な学部の特徴を整理すると、次のようになる。
- 文学部: 哲学、歴史、日本文学、英米文学、教育など、人文・社会分野を幅広く学びたい人に適している。
- 社会学部: 社会問題、メディア、国際社会、社会心理など、人間と社会の関係を研究したい人に向いている。
- 経済学部: 経済の仕組み、国際経済、政策などに関心がある人の選択肢となる。
- 経営学部: 経営、マーケティング、会計・ファイナンスなど、企業活動に関する知識を身につけたい人に適している。
- 理工学部: 機械、電気電子情報、化学、建築、都市環境など、工学分野を専門的に学びたい人に向いている。
- 情報連携学部: 情報技術を軸に、複数分野を横断した学びに関心がある人の選択肢となる。
また、2027年4月には環境イノベーション学部が新たに開設される予定である。河合塾の予想ボーダーは偏差値47.5~52.5、共通テスト得点率74~80%となっている。
同学部では環境科学に加え、AIやデータ分析、科学コミュニケーションなどを組み合わせた教育を掲げている。環境問題とデジタル技術を横断して学びたい受験生にとって、新たな選択肢となる。
【プロの結論】東洋大学を受験する価値はある?失敗しない判断基準
東洋大学を志望校として検討する際、最も避けたいのは「Fランと言われているから受験する価値がない」「最低偏差値が40.0だから簡単に合格できる」といった極端な判断だ。
大学選びでは、入試難易度、学びたい分野、卒業後の進路、キャンパス環境などを総合的に考える必要がある。
東洋大学をおすすめできる受験生
次のような受験生には、東洋大学を志望校の候補として検討する価値がある。
- 文学・社会学・経済学・経営学など、自分の関心分野が明確になっている人
- 日東駒専を中心に、複数の大学を比較して受験計画を立てている人
- 情報技術、国際分野、観光、理工系など専門性のある学びを希望する人
- 入試方式や科目の組み合わせを比較し、自分の得意科目を活かした受験をしたい人
- 大学の知名度だけでなく、カリキュラムや学習環境を重視する人
東洋大学を選ぶ前に慎重に考えたい受験生
一方、次のような考え方で大学を選んでいる場合は、志望理由を改めて整理したい。
- 偏差値が低いというイメージだけで大学を決めている人
- 学びたい学科や将来の進路を確認せず、大学名だけで出願しようとしている人
- 第2部やイブニングコースと昼間部の違いを理解していない人
- 共通テストの最低得点率だけを見て、合格できると考えている人
- 入試科目や配点を調べず、模試の総合偏差値だけで合格可能性を判断している人
2027年度入試で確認したい3つのポイント
これから東洋大学を受験する人は、次の3点を優先的に確認したい。
1. 志望学科の方式別ボーダーを調べる
大学全体の偏差値ではなく、志望する学科・専攻の具体的な入試方式を確認する。河合塾の方式別ランクは、実際の科目や配点を考慮した指標である。
2. 共通テスト利用と一般選抜を比較する
共通テスト利用方式では、必要科目数や配点によってボーダー得点率が変わる。3科目型だけでなく、4科目型や5科目型も確認し、自分の得点構成に合った方式を検討する。
3. 大学公式の募集要項で最終確認する
河合塾のボーダーラインは合格可能性50%の予想値であり、合格を保証するものではない。出願資格、試験日、必要科目、英語外部試験の利用条件などは、東洋大学の2027年度入試情報と正式な募集要項で確認する必要がある。
【東洋大学のFラン説】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:東洋大学はFラン大学ですか?
A1:いいえ。2026年10月13日更新の2027年度入試向け河合塾データでは、一般選抜の偏差値は40.0~60.0です。BF(ボーダー・フリー)と偏差値40.0は異なる概念であり、大学全体をFランと呼ぶのは適切ではありません。
Q2:東洋大学で一番偏差値が高い学部はどこですか?
A2:文学部が最高60.0です。特に哲学科や史学科の前期3教科方式で60.0のボーダーが設定されています。
Q3:東洋大学の共通テスト得点率は何%ですか?
A3:2027年度入試向けの全体範囲は54~88%です。学部や学科、科目数によって必要得点率が異なります。
Q4:東洋大学は日東駒専の中でレベルが低いですか?
A4:一概には言えません。東洋大学は偏差値40.0~60.0で、駒澤大学や専修大学と難易度が重なる領域があります。学部別・方式別に比較が必要です。
Q5:東洋大学の理工学部は入りやすいですか?
A5:理工学部の偏差値は47.5~50.0、共通テスト得点率は60~71%です。数学や理科を含む試験方式もあるため、偏差値だけで入りやすいと判断することはできません。
Q6:東洋大学の2027年度入試の偏差値は確定していますか?
A6:確定値ではありません。2026年10月13日更新の河合塾提供データは、2027年度入試に向けた予想ボーダーラインです。今後の志望動向や入試情報によって変更される可能性があります。
Q7:東洋大学の偏差値はどこで確認できますか?
A7:旺文社の大学受験パスナビ、河合塾Kei-Netで確認できます。学部・学科だけでなく、一般選抜の入試方式別ボーダーや共通テスト得点率まで確認するのがおすすめです。
まとめ:東洋大学はFランではない!偏差値だけで大学を判断しないことが大切
2026年11月現在、東洋大学をFラン大学と評価する根拠は、2027年度入試向けの河合塾データからは見いだせない。
2026年10月13日更新の旺文社パスナビでは、東洋大学の一般選抜の偏差値は40.0~60.0、共通テスト得点率は54~88%となっている。文学部には60.0の方式があり、社会学部・経済学部・経営学部にも57.5の方式が存在する。
最低偏差値40.0の背景には、第2部やイブニングコースが含まれていることも関係している。大学全体の最低値だけを切り取って、昼間部を含むすべての学部を評価するのは正確ではない。
日東駒専との比較でも、大学全体の偏差値の上下限だけで優劣を決めることはできない。学部や学科、入試科目、共通テストの配点まで確認してこそ、実際の難易度が見えてくる。
東洋大学を志望する受験生にとって大切なのは、ネット上の「Fラン」という言葉ではなく、自分が学びたい分野と入試の実態を照らし合わせることだ。2027年度入試に向けては、最新の河合塾ボーダーラインと大学公式の募集要項を併用し、納得できる志望校選びにつなげたい。