支持率64.9%という数字を理解するには、単に支持する人が多いという結果だけでなく、どのような理由で支持しているのかを見る必要があります。
支持する理由の最多回答は「ほかの内閣より良さそうだから」
JNNが高市内閣を支持する人に理由を尋ねたところ、最も多かった回答は「ほかの内閣より良さそうだから」の39%でした。
一方、不支持と回答した人に理由を尋ねると、最多は「政策に期待できないから」の31%でした。
この結果には、今回の支持率を読み解くうえで要点があります。
支持する理由の最多回答は、特定の政策への積極的な賛同ではなく、ほかの内閣との比較です。一方、不支持側では政策への期待が持てないことが最大の理由になっています。
つまり、内閣全体への評価と、個別政策に対する評価は必ずしも一致していません。
なお、39%は支持者の中での回答割合、31%は不支持者の中での回答割合です。全回答者に占める割合ではない点にも注意が必要です。
歴代内閣との比較ではどのような位置にある?
JNNの報道では、小泉内閣以降の歴代内閣について、総理就任直後と就任から1年後の支持率を比較した場合、高市総理は最も高い支持率を維持していると紹介されています。
これは、高市政権の支持状況を歴史的な時間軸で見る際の重要な材料です。
ただし、歴代内閣の比較では、調査機関や質問形式、調査対象者の構成が同一とは限りません。今回のJNNの比較結果と、別の報道機関が過去に実施した調査を混在させないことが大切です。
また、高市政権は2025年10月21日に発足し、2026年2月18日には第2次高市内閣へ移行しています。政権としての発足からの期間と、個々の内閣の発足時点は区別して考える必要があります。
【政策評価と今後の焦点】支持率64.9%だけでは見えない課題

高い内閣支持率が示された一方で、政策ごとの世論を見ると、政府に対する評価が一様ではないことが分かります。
今回のJNN調査では、物価高対策、国会議員の定数削減、サイバーセキュリティーなど、政権運営に関わる具体的なテーマも取り上げられました。
① 食料品の消費税引き下げ
政府が国会に提出した法案では、食料品の消費税率を2027年4月から2年間、8%から1%に引き下げることが柱となっています。
この案についてJNNが尋ねたところ、賛成は54%、反対は35%でした。
物価高対策として家計への負担を軽減することへの関心がうかがえる結果です。ただし、減税への賛成と、法案の財源や実施方法への評価は別の問題です。
② 衆議院の比例代表定数削減
自民党、日本維新の会、国民民主党の3党が合意した衆議院の比例代表定数31議席削減案については、賛成が62%、反対が19%となりました。
この結果は、議員定数の見直しに対する世論の反応を示しています。ただし、調査での賛否と、国会での法案成立や制度変更は区別して捉える必要があります。
③ サイバー攻撃と情報流出への政府対応
今回の調査で特に注目されるのが、サイバー攻撃や情報流出に関する回答です。
企業や自治体などへのサイバー攻撃が相次いでいることについて、不安を感じる人は87%に達しました。
加えて、これまでの政府の対応については、評価する人が39%だったのに対し、評価しない人は58%でした。
内閣全体への支持が64.9%である一方、個別の行政対応には厳しい評価が寄せられている分野もあるわけです。
この違いは、支持率を政権のあらゆる政策に対する包括的な賛成票として解釈してはいけない理由の一つです。
今後確認したい5つのポイント
11月以降の内閣支持率を読むうえでは、次のテーマを継続して確認する必要があります。
物価高と家計負担
食料品の消費税引き下げ案が実際の家計負担にどう関係するか。
経済政策の実施状況
政策への期待が、具体的な成果に対する評価へ変化するか。
サイバーセキュリティー
政府の対策や情報流出への対応について、評価がどう変わるか。
与党と内閣の支持率の差
自民党の支持率と高市内閣の支持率が、それぞれどのように推移するか。
世論調査機関ごとの変化
JNN、FNN、NHK、ANN、新聞各社の調査で共通する変化が現れるか。
これらは今後の調査で検証すべき論点です。現時点の64.9%だけから、将来の支持率や政権運営の結果を予測することはできません。
【内閣支持率の正しい見方】数字を読み違えないための判断基準
世論調査の数字は、見出しだけを読むと実際の意味を取り違えることがあります。特に内閣支持率では、次のような誤解に注意が必要です。
誤解1:内閣支持率が高ければ与党支持率も高い
今回のJNN調査では、内閣支持率64.9%に対し、自民党支持率は32.9%でした。内閣と政党は異なる対象として調査されるため、同じ数字になる必要はありません。
誤解2:前回比1.9ポイント上昇は大幅な支持拡大を意味する
今回の1.9ポイント上昇は、同じJNN調査の前回結果と比較した数値です。ほかの調査機関の数値と直接比較して、支持が同じ幅で増えたと解釈することはできません。
誤解3:調査対象が1,024人なら誤差がない
無作為抽出を採用していても、回答者の構成や回答しなかった人の傾向などによる影響は残ります。回答者数だけで調査の正確性を判断するのは避けるべきです。
誤解4:支持率は政策への賛成率と同じ
内閣を支持する理由と、個別の政策に賛成するかどうかは異なる質問です。今回も内閣支持率64.9%と、サイバー攻撃への政府対応を評価しない58%という結果が同時に示されています。
こうした違いを把握することで、支持率の数字から政権運営のどの部分が評価され、どの部分に課題があるのかを読み取りやすくなります。
【内閣支持率最新】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年11月現在の高市内閣の支持率は何%ですか?
JNNが2026年11月1日に公表した最新調査では64.9%です。前回から1.9ポイント上昇しました。不支持率は32.5%です。
Q2:JNN世論調査の有効回答数と調査方法は?
2026年10月31日~11月1日に実施され、有効回答は1,024人です。固定電話438人、携帯電話586人で、RDD方式による電話調査が採用されました。
Q3:高市内閣の支持率と自民党の支持率はなぜ違うのですか?
内閣支持率は内閣の運営に対する評価であり、政党支持率は支持する政党を尋ねた結果だからです。今回のJNN調査では、高市内閣が64.9%、自民党が32.9%でした。
まとめ:今後の動向と失敗しないための判断基準
2026年11月2日時点で確認できる内閣支持率の最新データは、JNN調査の高市内閣64.9%、不支持率32.5%です。支持率は前回比1.9ポイント上昇し、自民党の政党支持率は32.9%となりました。
一方、調査機関によって支持率には45%から64.9%までの幅があり、調査日や方法によって結果が異なります。また、食料品の消費税引き下げには54%が賛成する一方、サイバー攻撃に対する政府の対応を58%が評価していないという結果も出ています。
【プロの結論】 内閣支持率を正確に理解するためには、単独の数字だけでなく、同じ調査機関による時系列の変化、政党支持率との関係、個別政策への評価を組み合わせて見ることが欠かせません。
今後の注目点は、物価高対策の実施状況、政策への期待と実績の関係、そして各社の世論調査で同じ傾向が確認されるかどうかです。
64.9%という最新値を出発点に、次回以降の調査結果を同じ条件で比較することが、高市内閣の支持動向を理解するための基本になります。
記事基準日:2026年11月2日。調査結果は各機関が公表した時点の数値です。