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上席執行役員とは?会社法上の立場・序列・報酬と権限を2026年最新で徹底解説

葛西 纱英 葛西 纱英 • 更新: • 公開: • 読了約 23 分
目次

「上席執行役員」とは、企業の経営方針に基づいて事業運営を統括する、執行役員の上位に位置づけられることが多い社内役職です。一般的には、複数の部門や事業領域を担当し、経営陣と現場をつなぐ重要な役割を担います。ただし、取締役や会社法上の執行役とは異なり、「上席執行役員」という肩書き自体は会社法に定められた役職ではありません。

2026年11月現在、上席執行役員の序列や権限、給与、雇用形態は企業ごとに異なります。常務執行役員との上下関係や部長との違いも一律ではありません。会社法の規定、企業の役員人事、実際の組織運営を照らし合わせながら、その立場と待遇を正しく理解することが大切です。

【基本解説】上席執行役員とはどのような役職?役割と制度の仕組み

上席執行役員とは

上席執行役員は、企業の業務執行を担う執行役員の中でも、特に経験や職責、担当領域の重要性などを考慮して上位に位置づけられる役職です。

一般的には、経営会議や執行役員会などに参加し、経営方針を具体的な事業計画に落とし込みます。担当部門の業績管理だけでなく、複数の事業部門を横断する経営課題への対応を求められるケースもあります。

上席執行役員が担う主な5つの役割

企業の組織設計によって違いはありますが、主な職務は次の5つです。

  • 事業戦略の実行:取締役会や代表取締役が定めた経営方針を、具体的な事業計画や施策に反映する。
  • 部門・事業の統括:複数の部署や事業領域を担当し、予算、人員、業績などを管理する。
  • 経営陣への報告:事業の進捗やリスク、投資判断に必要な情報を代表取締役や取締役会に報告する。
  • 組織・人材の管理:幹部人材の育成、後継者候補の選定、組織再編などに関与する。
  • 経営課題への対応:事業改革、デジタル化、海外展開、収益改善などの重要プロジェクトを推進する。

特に重要なのは、担当部署だけでなく、会社全体の利益や成長を考えて判断することです。部長が担当部署の業務管理を中心とするのに対し、上席執行役員は複数部門を横断した意思決定や事業間の調整を担う場合があります。

なぜ企業は上席執行役員制度を導入するのか

背景にあるのは、経営上の意思決定と日常的な業務執行を分け、経営の効率性と監督機能を両立させたいという企業側の事情です。

すべての重要な判断を取締役に集中させると、取締役会が細かな業務執行に追われ、経営戦略や監督に十分な時間を割けなくなる可能性があります。

そこで、取締役会が経営上の重要事項を決定・監督し、執行役員がその方針を実行する仕組みを整えます。加えて、執行役員の中に上席という階層を設けることで、重要な事業領域を統括する責任者を明確にできるのです。

PwC JapanグループのIPO関連解説でも、執行役員制度の導入目的として、経営上の意思決定・監督と業務執行の分離による経営効率の向上が説明されています。

【会社法上の位置づけ】上席執行役員と取締役・執行役員・執行役の違い

上席執行役員を理解するうえで、最も注意したいのが法律上の立場です。「役員」という言葉が含まれていても、会社法上の役員と同じ扱いになるわけではありません。

会社法第329条では、株式会社の役員として取締役、会計参与、監査役が規定されています。一方、一般企業が独自に設置する執行役員や上席執行役員は、会社法上の役員として定められた機関ではありません。

取締役・執行役員・執行役の法的な違い

特に混同しやすいのが「執行役員」と「執行役」です。名称は似ていますが、法的な位置づけは大きく異なります。

役職・立場 会社法上の位置づけ 主な役割・権限 選任・契約関係
取締役 会社法上の役員 経営方針の決定、業務執行の監督など 原則として株主総会で選任。会社との関係は委任
代表取締役 会社法上の役員 会社を代表し、業務に関する法律行為を行う 取締役の中から取締役会などが選定
執行役 会社法上の機関 指名委員会等設置会社の業務執行を担当 取締役会が選任。会社との関係は委任
執行役員 会社法上の役員ではない 経営方針に基づく事業運営や業務執行 企業の社内規程などに基づき選任
上席執行役員 会社法上の役員ではない 上位の執行責任者として事業や部門を統括 企業独自の制度・規程に基づき選任
部長 会社法上の役員ではない 担当部署の業務管理や人員管理 社内の人事制度に基づき任命

取締役と上席執行役員の違い

取締役は会社法上の機関を構成する立場であり、株主総会によって選任されます。取締役会設置会社では、取締役会が業務執行の決定や取締役の職務執行の監督などを行います。

一方、上席執行役員は、取締役会などが定めた方針を実行する側に位置づけられるのが一般的です。会社法上の取締役ではない場合、取締役会の構成員としての議決権はありません。

ただし、同じ人物が取締役と上席執行役員を兼任するケースもあります。その場合は、取締役としての法的な立場と、上席執行役員としての社内職務を分けて考える必要があります。

執行役員と会社法上の執行役の違い

会社法第402条によると、執行役は指名委員会等設置会社に置かれる法定の機関です。取締役会の決議によって選任され、会社との関係は委任に関する規定に従います。

さらに会社法第418条では、執行役の職務として、取締役会から委任された業務執行の決定や会社の業務執行が定められています。

これに対して、一般的な執行役員制度は、企業が独自に設ける社内制度です。指名委員会等設置会社以外の企業でも設置できます。

つまり、名刺に「上席執行役員」と書かれているだけでは、会社法上の執行役に就任していることにはなりません。法律上の役職なのか、社内の役職なのかを区別が必要です。

【社内の序列】上席執行役員と常務執行役員・部長はどちらが上?

上席執行役員の序列については、多くの企業で通常の執行役員より上位に設定されています。しかし、常務執行役員との上下関係や、部長・本部長との関係には統一された法律上の基準がありません。

一般的な役職の序列

執行役員制度を採用する企業では、次のような階層を設けるケースがあります。

  • 社長執行役員
  • 副社長執行役員
  • 専務執行役員
  • 常務執行役員
  • 上席執行役員
  • 執行役員

これはあくまで一般的な配置例です。常務執行役員を置かずに上席執行役員を上位層として扱う会社や、上席執行役員より上に別の役職を設ける会社もあります。

上席執行役員と常務執行役員の違い

常務執行役員は、重要な日常業務や事業領域を統括する上位の執行責任者として設けられることがあります。

上席執行役員は、通常の執行役員より上位の経験・職責を持つ人材を区分するために使われることが多い肩書きです。

一般的な序列では常務執行役員が上席執行役員より上に置かれるケースがあります。ただし、「上席」という名称のほうが必ず上位になる、あるいは常務という名称が必ず上位になるという法律上の決まりはありません。

上席執行役員と部長はどちらが上?

一般的な組織設計では、上席執行役員が部長より上位に位置づけられることが多いです。

部長は基本的に特定の部署を統括する管理職ですが、上席執行役員は複数の部署や事業を横断して管理することがあります。担当範囲や決裁権限が広い場合、組織上の立場にも違いが生じます。

ただし、部長が上席執行役員を兼務する企業や、本部長・事業部長が独自の権限を持つ企業もあります。肩書きだけで上下関係を判断するのは適切ではありません。

実際の立場を確認するには、役員一覧、組織図、職務権限規程を照らし合わせる必要があります。

【権限と責任】上席執行役員は何を決められる?選任・解任の仕組み

上席執行役員の権限は、肩書きそのものによって決まるわけではありません。企業が定める職務権限規程、稟議規程、取締役会規程、執行役員規程などによって具体的な範囲が決まります。

上席執行役員に認められることがある権限

担当する業務や会社の制度によって、次のような権限が与えられる場合があります。

  • 担当事業の予算案や事業計画の策定
  • 一定金額までの投資や経費の決裁
  • 担当部門の人事や組織運営への関与
  • 取引先との契約や重要商談の交渉
  • 経営会議や執行役員会での事業方針の提案
  • 複数部門にまたがるプロジェクトの統括

ただし、これらは会社から委譲された範囲内で認められる権限です。上席執行役員という名称だけで、会社を代表する権限や無制限の決裁権が与えられるわけではありません。

会社法上の取締役会の権限との関係

会社法第362条第4項では、取締役会設置会社において、重要な財産の処分、多額の借財、重要な使用人の選任・解任、重要な組織の設置・変更などについて、取締役会が決定すべき事項を定めています。

したがって、上席執行役員に業務執行上の大きな裁量が与えられていたとしても、会社法上の取締役会専決事項まで自由に決定できるわけではありません。

また、執行役員に権限を委譲したからといって、取締役や代表取締役の監督責任が当然になくなるわけでもありません。権限を委譲する側と実際に業務を執行する側の責任を明確にすることが、適切なガバナンスにつながります。

上席執行役員の責任はどこまで及ぶ?

上席執行役員は、担当する事業の業績や組織運営について責任を負います。重大な経営判断の誤りや法令違反を防ぐため、社内規程に従った業務執行と報告が大切です。

ただし、会社法第423条が定める役員等の会社に対する損害賠償責任は、取締役や会社法上の執行役などを対象としています。会社法上の執行役員ではない人が、上席執行役員という肩書きだけを理由に同条の対象になるわけではありません。

もっとも、雇用契約上の義務、委任契約上の義務、民法上の責任、不法行為責任などが問題になる可能性はあります。兼任する取締役などの法的地位によっても責任関係は変わります。

上席執行役員の選任・解任は誰が行う?

会社法には、一般的な上席執行役員の選任・解任について一律の手続きは定められていません。

多くの企業では、取締役会の決議や社長の推薦、経営会議での審議などを組み合わせ、社内規程に従って人事を決定します。

選任では、事業実績、専門知識、組織管理能力、経営戦略への理解、リーダーシップなどが評価されます。通常の執行役員からの昇格だけでなく、社外からの人材登用や、取締役から執行側への役割変更も考えられます。

解任についても、社内規程や契約条件に従って行われます。ただし、役職を外すことと、従業員としての雇用契約を終了させることは別の問題です。雇用型の場合は労働法上の規律も考慮しなければなりません。

【給与・報酬と雇用形態】上席執行役員の年収は高い?雇用型・委任型を比較

上席執行役員は、企業の経営に近い立場で重要な業務を担うため、一般的には高い処遇を受けることが多い役職です。しかし、年収や報酬の仕組みには企業規模、業界、業績、契約形態による違いがあります。

上席執行役員の給与・報酬の内訳

上席執行役員の待遇には、次のような構成が考えられます。

  • 基本報酬・給与:毎月支給される固定的な報酬。
  • 業績連動賞与:会社業績や担当事業の達成度などに応じて支給される報酬。
  • 株式報酬:企業によっては株式や株式関連のインセンティブが設定される。
  • 退職金・退職慰労金:雇用契約や役員報酬制度などに応じて設定される。

ただし、すべての企業で同じ制度が採用されているわけではありません。特に、上席執行役員という肩書きだけで全国共通の年収水準を算出することはできません。

上場企業の場合、有価証券報告書などで役員報酬の総額や報酬方針を確認できることがあります。しかし、一般の上席執行役員が会社法上の取締役や執行役に該当しない場合、法定の役員報酬開示と同じ扱いになるとは限りません。

雇用型執行役員とは

雇用型は、会社との雇用契約を維持したまま執行役員としての職務を担う形態です。

従業員としての身分を持つため、基本的には労働法上の保護を受けます。給与や賞与、福利厚生、退職金なども、会社の従業員制度や個別の処遇規程に基づいて決められます。

また、執行役員への任命が終了しても、雇用契約そのものが直ちに終了するとは限りません。役職変更と退職は分けて考える必要があります。

委任型執行役員とは

委任型は、会社との間で委任契約などを締結し、一定の業務執行を任される形態です。

雇用型とは異なり、従業員としてではなく、委任された職務を遂行する立場として処遇されます。報酬や任期、契約終了の条件なども、契約や会社の規程によって定められます。

一般に、雇用型よりも経営責任や業務上の裁量を明確に設定する制度設計が行われることがあります。ただし、委任型だから必ず高い報酬になるというわけではありません。

雇用型と委任型の違いで確認すべきこと

実務上は、雇用型と委任型を完全に二分できない混合型の運用も見られます。PwC Japanグループも、執行役員の法的関係について、雇用型と委任型のほか、両者の混合型があることを解説しています。

そのため、上席執行役員への昇格や転職を検討する際には、肩書きや提示年収だけで判断せず、契約書や就業規則、報酬規程を確認する必要があります。

【2026年最新の企業事例】上席執行役員の序列と制度の実態を検証

上席執行役員という役職の特徴は、企業の公式な役員人事を見ると理解しやすくなります。2026年に公表された企業資料にも、常務執行役員、上席執行役員、通常の執行役員を区分している例が確認できます。

東京エネシス:常務執行役員と上席執行役員を区分

株式会社東京エネシスは、2026年3月3日付の「役員等の異動に関するお知らせ」で、同年4月1日付の執行役員人事を公表しました。

同社が示した2026年6月26日以降の体制では、執行側の役職を次のように区分しています。

  • 常務執行役員
  • 上席執行役員
  • 執行役員

この人事資料では、常務執行役員、上席執行役員、通常の執行役員がそれぞれ別の区分で掲載されています。少なくとも同社の制度では、上席執行役員は執行役員の中間的な階層として位置づけられていることが読み取れます。

ただし、この序列をほかの企業にそのまま当てはめることはできません。

キューアンドエー:上席執行役員と執行役員常務を設置

キューアンドエー株式会社は、2026年7月1日付の役員人事および組織変更を公表しました。

同社の役員一覧には、取締役や監査役のほか、執行役員常務、上席執行役員、執行役員がそれぞれ記載されています。

この事例から分かるのは、上席執行役員という肩書きが、常務に相当する名称と併用される独自の制度の中で運用されていることです。役職名だけを比較して、すべての会社の序列を決めることはできません。

YKK:上席常務執行役員という複合的な役職

YKK株式会社の公式役員構成では、2026年4月1日付の執行役員体制として「上席常務執行役員」という肩書きが掲載されています。

同社の一覧には、常務執行役員という区分も設けられており、担当者には製造・技術、経営企画、デジタルなどの事業領域が割り当てられています。

これは、企業によっては「上席」と「常務」を組み合わせた役職を設けるなど、独自の階層設計を行っていることを示す例です。

経済産業省の企業事例が示す権限委譲の方向性

2025年4月30日に経済産業省が公表した「『稼ぐ力』の強化に向けたコーポレートガバナンスガイダンス」の企業事例集にも、上席執行役員制度に関連する重要な事例があります。

事例41では、東証プライム市場に上場する大規模な電気機器企業の体制改革が紹介されています。

同事例では、業務執行の迅速化を目的として上級執行役員を設置し、取締役会から上席執行役員会議へ一部権限を委譲する取り組みが説明されています。

加えて、上席執行役員が担当領域を持ちながら部門長職との兼務を解消し、全社的な視点で経営を強化する方向性も示されています。役割と責任を規程に明記する点も特徴です。

この事例は、上席執行役員制度が単なる肩書きの追加ではなく、経営判断の迅速化や責任範囲の明確化に活用されていることを示しています。

【プロの結論】上席執行役員の肩書きだけで実力や権限を判断してはいけない

上席執行役員という肩書きから分かるのは、企業がその人物を執行役員の上位層として位置づけている可能性が高いということです。しかし、それだけで実際の権限や経営上の影響力まで判断することはできません。

本当に注目すべきなのは、役職名よりも「何を決められるのか」「どこまで責任を負うのか」「誰に報告するのか」という3つの要素です。

上席執行役員の実質的な地位を見極める5つの判断基準

  1. 担当領域:一部署だけなのか、複数部門なのか、全社的な経営領域を担当しているのか。
  2. 決裁権限:予算、人事、投資、契約について、どの範囲まで単独で決定できるのか。
  3. 報告ライン:社長に直接報告するのか、担当取締役を経由するのか。
  4. 会議体への参加:経営会議、執行役員会、取締役会にどのような立場で参加するのか。
  5. 契約・報酬:雇用型か委任型か、任期や報酬体系はどうなっているのか。

上席執行役員への昇格を目指す人が意識したいこと

上席執行役員を目指す場合、担当部署の業績を上げるだけでは十分とは限りません。会社全体の収益構造や事業ポートフォリオを理解し、複数部門の利害を調整しながら成果を生み出す能力が大切です。

特に評価されやすいのは、次のような能力です。

  • 中長期の経営戦略を理解し、具体的な施策に落とし込む力
  • 財務・会計・投資判断に関する知識
  • 部門横断型の組織マネジメント能力
  • 重大なリスクを発見し、適切に対応する判断力
  • 後継者や次世代幹部を育成する能力

一方、役職名だけを目的に昇格を目指すことはおすすめできません。権限が大きくなるほど、業績への説明責任や組織全体への影響も大きくなるためです。

上席執行役員は、単に社内で偉い人を示す肩書きではありません。経営方針を実行し、成果と責任を引き受ける立場として理解することが、本質的な評価につながります。

上席執行役員とは?に関するよくある質問(FAQ)

Q1:上席執行役員は取締役より上の立場ですか?

A1:一般的には取締役のほうが会社法上の経営意思決定・監督に関する権限を持つ立場です。ただし、取締役と上席執行役員を兼任する人物もいます。実際の序列は会社の組織設計によって異なります。

Q2:上席執行役員と常務執行役員ではどちらが上ですか?

A2:常務執行役員が上位に置かれる企業はありますが、全国共通の序列はありません。東京エネシスやキューアンドエーなどの2026年の人事資料を見ても、各社が独自の役職区分を設けていることが分かります。

Q3:上席執行役員は会社法上の役員ですか?

A3:上席執行役員という肩書き自体は、会社法上の役員ではありません。取締役などを兼任している場合は、その兼任する法的地位に応じた扱いになります。

Q4:上席執行役員と部長はどちらが偉いですか?

A4:一般的には上席執行役員が上位に置かれるケースが多いです。ただし、部長との兼務や独自の組織制度もあるため、組織図や職務権限規程による確認が必要です。

Q5:上席執行役員になると年収はどれくらいですか?

A5:全国共通の給与基準はありません。会社の規模、業績、担当範囲、雇用型・委任型の違いなどによって変わります。基本報酬、賞与、株式報酬、退職金などの条件を確認が必要です。

Q6:上席執行役員は解任されることがありますか?

A6:あります。選任・解任の手続きは会社の規程や契約によって異なります。ただし、役職から外すことと従業員としての雇用契約を終了させることは別問題です。

まとめ:上席執行役員の本当の立場は権限・責任・契約で決まる

上席執行役員とは、一般的に執行役員の中でも上位に位置づけられ、重要な事業や複数部門の業務執行を統括する社内役職です。

ただし、会社法上の取締役や執行役とは異なり、役職の定義や序列、権限、給与、選任・解任の仕組みは企業ごとに異なります。

2026年の企業人事や経済産業省の企業事例からも、上席執行役員制度が単なる肩書きではなく、経営の迅速化や権限委譲、全社的な事業統括に活用されていることが分かります。

上席執行役員の立場を正しく理解するためには、肩書きだけを見るのではなく、会社法上の地位、組織図、職務権限規程、契約形態、報酬制度を総合的に確認することが欠かせません。

特に昇格や転職、取引先との商談などで相手の立場を判断する場合は、実際の決裁権限と責任範囲に注目が必要です。役職名の印象にとらわれず、組織の中で何を担っている人物なのかを見極めることが、上席執行役員という肩書きを理解する最も確かな方法です。

主な根拠資料: 会社法(e-Gov法令検索)、経済産業省「『稼ぐ力』の強化に向けたコーポレートガバナンスガイダンス」企業事例集(2025年4月30日)、東京エネシス役員人事資料(2026年3月3日)、キューアンドエー役員人事資料(2026年7月1日)、YKK公式役員構成、PwC Japanグループの執行役員制度に関する解説。

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トレンドリサーチャー 葛西 纱英
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