ペア競技で金メダルを獲得するには、ショートプログラムとフリースケーティングの両方で高い得点を残す必要があります。
フリーだけで1位になっても、ショートで大きく出遅れていれば、総合優勝できない場合があります。
得点の計算方法
基本となる計算式は次のとおりです。
フリースケーティングの得点TES + PCS − 減点

TES:技術点
実施した10要素の基礎点とGOEを反映した合計点
PCS:演技構成点
構成・表現・スケーティング技術の3項目の評価
減点
転倒、時間違反、衣装違反などによるペナルティ
ショートプログラムも同様にTES、PCS、減点を計算します。
最終的な競技得点は次の計算です。
ショートプログラムの得点+フリースケーティングの得点=総合得点
この総合得点が最も高いペアが優勝します。
採点には誰が関わっている?
ISUの採点システムでは、技術パネルと審判団が異なる役割を担っています。
技術パネル
- テクニカルコントローラー1人
- テクニカルスペシャリスト2人
技術パネルは、実施した技の種類や難易度、レベル、転倒などを判定します。意見が分かれた場合は3人の多数決で決定します。
審判団
最大9人の審判が、各要素のGOEやプログラム全体のPCSを採点します。最高点と最低点を除いた点数の平均が使用されます。
このように、技の種類を判定する担当者と、演技の品質を評価する担当者が分かれているのが特徴です。
順位を見るときに確認したい3つの数字
競技結果を読む際は、順位だけでなく次の数字にも注目すると理解が深まります。
1. TES:難しい技をどれだけ成功させたか。
2. PCS:2人の滑走や演技全体がどれだけ高く評価されたか。
3. 減点:転倒や規定違反によって何点失ったか。
例えば、TESが高いペアでもPCSで差をつけられることがあります。反対に、難度を抑えた構成でも、完成度の高い滑走と表現によって得点を伸ばすことがあります。
ペア競技では、難しい技を成功させる能力と、プログラム全体を美しくまとめる能力の両方が必要です。
【プロの結論】2026-27年のペアフリーで本当に注目すべきポイント
2026-27年のルールを理解すると、ペアフリーの見方は大きく変わります。
単純にジャンプの回転数やリフトの高さを比較するだけでは、演技の本当の完成度は分かりません。
特に注目したいのは次の5つです。
① 男女のユニゾン
ジャンプのタイミング、着氷、滑走スピードがそろっているか。片方だけが成功しても、ペアとしての完成度は十分とは限りません。
② リフトの技術と演出
高く持ち上げるだけではなく、保持方法、回転方向、女性の姿勢変更、降ろす際の安定性まで確認すると、レベルとGOEの違いが理解しやすくなります。
③ スロージャンプの着氷
空中の高さや回転数に目を奪われがちですが、着氷後の流れが重要です。着氷直後にスピードを維持できているかが、技の完成度を見分けるポイントです。
④ デススパイラルの安定感
女性の姿勢だけでなく、男性のピボット姿勢や2人の回転軸にも注目してください。技全体が安定しているペアほど、美しい円を描きます。
⑤ コレオグラフィック要素の表現力
2026-27年に追加されたコレオグラフィック・ペアスピンとシニアのコレオグラフィック・ペアリフトは、技術と芸術性の両方を観察できるポイントです。
2026年10月時点で押さえたい最新情報
2026-27年シーズンは、ISUの技術パネルハンドブックが2026年7月15日付で公開され、同年10月にもルールの質疑応答資料が更新されています。
また、U.S. Figure Skatingの公式ルール資料では、10月29日に減点関連資料が更新されています。
今シーズンの情報を調べる場合は、古いシーズンの演技要素一覧ではなく、次の資料を基準にすると理解しやすくなります。
- ISU Sports Rules 2026
- ISU Communication #2788(2026-27年の難易度・GOE・PCS基準)
- ISU Communication #2786(2026-27年の基礎点一覧)
- 2026-27 Technical Panel Handbook for Pair Skating
- 2026-27 ISU Q&A
特に、基礎点一覧と技術パネルハンドブックは役割が異なります。前者は得点の基準、後者は技の認定やレベル判定の具体的な条件を理解するための資料です。
【よくある質問】フィギュアスケートのペアフリーに関するFAQ
Q1:フィギュアスケートのペアフリーは何分間ですか?
A1:2026-27年のシニアは4分間、ジュニアは3分30秒です。どちらもプラスマイナス10秒の許容範囲があります。
Q2:ペアフリーには何種類の必須演技要素がありますか?
A2:シニアは10要素、ジュニアは9要素です。シニアには2種類のレベル付きリフト、1種類の振付リフト、ツイストリフト、2種類までのスロージャンプ、ソロジャンプ、ジャンプコンビネーションまたはシークエンス、コレオグラフィック・ペアスピン、デススパイラルが含まれます。
Q3:ペアフリーとショートプログラムではどちらが重要ですか?
A3:どちらも総合順位を決める重要なプログラムです。ショートとフリーの得点を合計して順位が決まるため、片方だけで優勝が確定するわけではありません。
まとめ:2026-27年のペアフリーは技術と表現の両立が鍵
フィギュアスケートのペアフリーは、ジャンプやスピンといった個人技に加え、ツイストリフト、スロージャンプ、デススパイラルなど、男女が協力して成立させる高度な技術が魅力の競技です。
2026-27年のシニアでは、4分間の演技に10要素が組み込まれ、コレオグラフィック・ペアリフトやコレオグラフィック・ペアスピンが新たな見どころになっています。
得点はTESとPCSを合計し、減点を差し引いて決まります。そしてショートプログラムとの合計得点によって最終順位が確定します。
観戦するときは、技の難易度だけでなく、男女の動きの一致、着氷後の流れ、リフトの安定性、音楽との調和にも注目してみてください。採点基準を知ることで、ペアフリーの奥深さと、2人で一つの演技を完成させる難しさがより鮮明に見えてきます。